企業情報

商号 大雲山 平田寺
会社設立日
代表取締役 長谷川史道
本社所在地 愛知県北名古屋市九之坪宮前6番地
資本金
事業内容 曹洞宗の寺院
従業員数 2名

CSRの取り組み内容

◆本堂でヨガ教室や子育て講座、境内で八百屋さんも

平田寺は法事や法要などの仏事以外でも、多くの人が訪れる寺だ。お寺の本堂を開放し、定期的

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にヨガ教室や育児講座、子ども向けの日本舞踊など色々な催しを開催している。毎週月曜日には、境内で有機野菜を扱う八百屋さんがやってきてお店を開く。お寺でユニークなイベントが開催されていることは評判を呼び、ホームページなどを見て市外から訪れる人もいるという。

 

こうした催しは、檀家さんだけではなく、地域の人との多様なつながり方を模索して始めたという。当初はイベントのあとに、参加者にお参りをしていただくことを勧めていたが、あまりうまくいかなかったという。今は、催しの後にお茶の時間を設け、その際に住職との語らいの時間を設ける程度にしているという。「まずは子どもや地域の方に、お寺は楽しいところだと思っていただ

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ければ」と裕美子さんは語る。とはいえ、イベントに来た人が仏壇やご祈祷に関する相談をしてくれることもあったといい、少しずつ仏事に関するつながりのきっかけにもなりつつある。こうした活動を通して、平田寺ではこれまではお寺に足を運ぶことの無かった人にも間口を広げ、住職は訪れた人に、実は今も暮らしの中に息づく仏教について話しているそうだ。

 



CSRに関わる経緯・動機

この寺に来てからすぐに「とにかく、いろいろな人にお寺に来てもらいたい」と考え、裕美子さんの友人などと協力して月に1回程度のイベントを始めたそうだ。特に、地域の子どもたちが良質の文化に触れられる機会が作ろうと、最初は裕美子さんの知人で、子ども向けの狂言の会の方を迎えたイベントなどを開催していたという。

何度か続けるうちに、イベントに来たお客さんの中から「今度は私が催しを企画したい」という人が現れはじめた。裕美子さんはこうした人たちの思いを大切にし、よく話を聞いて一緒に毎月のイベントを続けていったという。

 

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

「何よりも無理をしないこと」。平田寺の取り組みは評判になり、ひと月に2~3回イベントを

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開催していたこともあったという。また、映画の上映会とカレーの試食を組み合わせた催しでは、60名程度の来場者を見込んでいたところ、当日はなんと300名もの方が集まったという。「本当は来た人同士が食事をしながら、ゆっくり映画の感想などを話したいね…と言っていたんですが、スタッフが忙しすぎて、イベントを楽しむ余裕がなくなってしまったんです」。

 

多くの人に来てもらえることはうれしいが、あくまでも交流が目的。無理なく続けていくためにも、今はこうした大きな催しは月に1回程度とし、定員も10名~30名程度としているそうだ。

また、平田寺は単なる「場所貸し」のようなことはしないようにしているという。イベントをしたいという人と、裕美子さんがきちんと話をし、お互いに共感して一緒に実施できることだけをしている。「何かしたいという思いのある人のお手伝いをすることが、お寺の役割かなと思っています」。お寺も、集まる人も無理をせず、両者が納得してできることを丁寧にやっていくことが、関わる誰もが楽しく続けられるコツのようだ。

 

今後のビジョン

◆お寺で「子ども食堂」を

 

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お寺で、子どもがひとりでも入れる無料の食堂「子ども食堂」の取り組みを試験的に初めてみるそうだ。前述した八百屋さんから食材の提供を受け、同じく寺で料理教室を開いている先生などに手伝ってもらいながら、地域の子ども達と一緒に料理を作って皆で食べることができないかと考えているそうだ。

 

「この地域はまだ大家族の家庭も多く、他の地域の子ども食堂のような課題を抱えた子どもは少ないかもしれない。でも、まだ隠れたニーズもあるかもしれないし、何よりもどんな子どもたちにとっても、お寺が気軽に立ち寄って、いろいろな人や楽しみに出会うことができる場所となればいいなと思っています」という。

◆より日常生活の中にあるお寺へ

「現在は『イベント』をする、という感じになっているが、これからは小さくてももっといつでもフラッと立ち寄れるお寺になっていきたい」そうだ。大きな催しを開催するよりは、小さくても来た人全員で作り上げていけるような集まりを大切にしていきたいという。子どもだけでなく、大人にとっても「行けば何かに出会えて、元気になれる場所」でありたいという考えからだ。「お寺は特別な場所ではなく、もとよりそういった存在だったと思います。お供えでいただいたもので炊き出しをしたり、たくさんとれたお米を地域に分配したりということをしていたはず。ドラッカーが『日本の寺は最古のNPOだ』と言ったという話を聞いたことがありますが、行政やNPO法人よりも、お寺だからこそ自由にできる地域貢献の活動はたくさんあると感じます」。