企業情報

商号 広沢建設有限会社
会社設立日 昭和62年4月8日
代表取締役 廣澤 治
本社所在地 愛知県知多郡美浜町上野間字郷戸66−4
資本金 1,000万円
事業内容 住宅家屋解体・内装解体・一般土木(土留め・外構・エクステリア工事)・福祉住環境バリアフリー(リフォーム・福祉用具販売)・美浜町公共工事
従業員数 8名

CSRの取り組み内容

■廃材を新しいものづくりに再利用するアップサイクル

建設業では、建物を解体する際にどうしても廃材が出てしまいます。廃棄には費用がかかり、不法投棄の問題も後を絶ちません。

同社のある美浜町には木造家屋が多く、家屋を解体する際には良質な古材が出ます。古い民家に使われている材木は立派で丈夫な上、年季の入った風合いもその魅力です。「捨てるなんて勿体無い」と考えた広沢建設では、「欲しい」という方に譲渡しています。

同社の倉庫で保管されていた「トロ箱」と呼ばれる鮮魚を入れる木箱がありました。この箱は解体され、地元の若者たちの手によって作られた美浜町のコミュニティスペース「Chabs」の床材として甦りました。

使わなくなり捨てるしかなかったものが、新しい空間づくりに活用される。想いのある古材を通して「新しい発想の発見」がある。「こんな使い方があったんだ!」ということがあると、新しい提案にもつながります。「前にお譲りした古材は〇〇でこんな風に使われてるよ!」と伝えると、譲った人にも喜ばれるそうです。

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同社の入り口には巨大な木製の福助人形が佇んでいますが、これも美浜町の隣の常滑市で、郵便局だった場所で保管されていたもの。来社した人に大きなインパクトを与えるとともに、アップサイクルの取組みを知ってもらうきっかけとなっています。

 

 

■美浜町の暮らしを紹介するブログ『青海波』

同社には「青海波」(せいがいは)というブログがあります。企業のブログといえば、商品や企業活動を紹介するものが一般的。しかし「青海波」が紹介するのは、同社のある美浜町や知多半島のお店やイベント、美しい風景やユニークな地元の人たちとの出会いのエピソードです。

『青海波』を担当するのは、今年入社した亜美さんと栞里さんです。地元の人には当たり前で、面白みがないと思われていることも、他の土地から移住して来た2人にとっては真新しいことばかりだそう。都会にはない独特の文化や、自然とともに流れる時間は素晴らしい発見の連続だと二人は語ります。2人のおしゃれな写真とゆるやかな文章で、美浜町の素朴な魅力が伝わりま

青海波 .pngす。「青海波」は、日本の伝統的な模様の名前で、1つの波が末広がりに広がっていく形のこと。『平穏な暮らしがいつまでも続くように。』という意味も込められているそうです。

 

廣澤さんによれば「会社の仕事とは直接関係ないと思われるかもしれないけれど、この地域のことを知ってもらい、他の地域から観光などで訪れる人が増えればと思います。訪れる人が増えれば町内に新しい建物や道路ができれば、建設の仕事に繋がります。さらに「青海波」の2人のように、移り住んでくれる人が増えればなお嬉しい。少しずつでも、私たちの力でできることをやっていきたいと考えています」とのことでした。

 

■社内で「大人の俱楽部活動」

広沢建設では、社内のスペースを地元の人に開放し、手芸や料理、園芸などを気軽に学ぶ「大人の俱楽部活動」も始めています。講座を通じて地域の人が交流する場であり、得意なことがある人が講師になって活躍できる機会にもなっています。こちらも建設業とは関わりがないように見えますが、講座に来た人が帰りがけに「実はうちのおばあちゃんのために手すりを付けたいんだけど…」と相談されることもあるそうです。「かしこまって工事の問い合わせをするというよりも、普段から気軽になんでも聞いてもらえる会社でありたいですね」と廣澤さんは話してくれました。



CSRに関わる経緯・動機

廣澤さんは、広沢建設で働き始める前は、養護学校や障害者の作業所に勤めていました。入社してしばらくして「バブル経済」が崩壊し、それまで同社が主に手掛けていた公共事業の仕事が大きく減ることになりました。

土木工事だけの仕事だけでは限界があると感じたこと、また、自身の経験から「障害のある人や高齢者の方も暮らしやすい住宅改修や、福祉用具の販売などの仕事ができないか」と感じた廣澤さんは、広沢建設で積極的にリフォーム事業を展開することを提案しました。「大きな工事に比べたら、リフォームは売上金額としては小さいので、最初は社内からの反対もありました」と廣澤さん。そこで考えたのが、現場の様子や同社の考え方をブログで発信していくことです。(節子ママの解体ブログ http://hiroken-jp.com/blog)続けるうちに、ブログを見た人からの工事の依頼がどんどん入るようになりました。「私たちが大切にしたいと思っていることに共感して注文していただけるお客様ばかり。価格競争にもなりにくく、適正な利益を確保し続けることができます」明るく親しみやすい雰囲気のブログは、違う同社ならではの個性が感じられ、他社との差別化にもつながっているようです。

「新しく「青海波」を始めたのは、これからは私だけでなく、新しい視点でも情報発信をしていく必要があると考えたため」だそうです。

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

ブログやイベントを始めても、続けていくことは難しいのでは?との質問に、廣澤さんは「今ではブログやホームページを見てお問合せをいただくお客様が多いので、当社にとって無くてはならないものになっています」とのことでした。

亜美さん、栞里さんは「私の強みは写真が撮れること。日々違った表情を見せる美浜町の景色を紹介できるのが嬉しい」「美浜町のおもしろい人をたくさん取材したい」。枠にとらわれず、社員の個性や好きなことを存分に生かした情報発信が、多くの人の共感を呼ぶコンテンツ作りの源になっているようです。

今後のビジョン

創業時は公共工事の請負が主だった同社ですが、今では6~7割が個人のお客様からの依頼です。ブログなどを通じた情報発信の重要性を実感するとともに、工学部の学生から「解体の現場を見学したい」と問合せがあるなど、今までには出会えなかった層にもアプローチできているという手応えを感じているそうです。

「今までは私が我流でやってきたブログですが、これからは2人の考えを取り入れて、より広い層に情報を届けていけたらと思います」