企業情報

商号 井村屋グループ株式会社
会社設立日 昭和22年4月8日
代表取締役 浅田剛夫
本社所在地 三重県津市高茶屋七丁目1番1号
資本金 22億5,390万円
事業内容 7事業会社(井村屋株式会社/菓子、食品、デイリーチルド、加温、冷菓、 冷凍菓子の
製造・販売及びそれに付帯する事業、レストラン事業等)の経営管理、コンサルティングなど
従業員数 970名

CSRの取り組み内容

地球と従業員にやさしいものづくりの拠点「アイアイタワー」

2016年5月に、同社の高茶屋本社工場敷地内で稼働を始めた「アイアイタワー」。もとは老朽化

していた冷凍の保管庫のリニューアルを目的に建てられたものだが、同社と人と環境への思いを体現したものとなっている。

 

アイアイタワーは従来の3倍の収納能力を持ちながら、スピーディな自動入出庫管理システムによる効率化により、電力使用量をなんと約75%削減。断熱効果も高めたほか、稼働時間の短縮にもつながり、CO2の排出量の削減にも貢献している。

同時に、同社では小豆を炊いたり、肉まん・あんまんを蒸す工程で使用する蒸気を作るため、建築廃材や間伐材を利用したバイオマスボイラも導入。こちらも天然ガス(LNG)に比べコストが抑えられることに加え、温室効果ガスの大幅な削減にもつながっている。

 

写真 2017-07-28 11 15 59 (1).jpg

また、アイアイタワーの最上階は従業員食堂にしている。見晴らしがよく広々として明るい食堂は、従業員満足を高める取り組みの一つとして作られ、テーブルなどの素材には地元の間伐材を使用するなど環境意識の醸成も促している。 

 

 

「あずき」を通して地域社会とつながる

設備投資を通じた社会貢献活動に加え、同社では地域との交流も大切にしている。中でもユニークなのは、同社の主力製品の原料となる「あずき」を通じた交流活動だ。

仕入れたあずきのうち、2%ほどは割れがある等の理由で原料としては使えないものがあるという。このあずきを地域のボランティア団体「ふれあい長寿津」に提供し、お手玉を作ってもらっているという。高齢の方にとっては細かい手作業を通じて認知症予防につながるとともに、作ったお手玉が小学校に寄贈され、子どもたちに喜ばれることが生きがいづくりにもなっている。近年では社員も地域の人と一緒にお手玉作りや「あずきマラカス」作りを通した交流も始まっているという。「昔は非常時にお手玉をほどいて小豆を食べる『非常食』だったことも分かり、社員にとっても井村屋とは切っても切れない小豆を通して様々なことを学ぶよい機会になっています」。



CSRに関わる経緯・動機

「市場活動」「人間尊重」「社会との調和」「環境保全」というCSR活動のテーマは、実は同社の原点でもある。「他社とはひと味違うものを作る」とユニークな商品で成長してきたこと(市場活動)、1950年という日本では早い時代から労働組合が組織され、働く人を大切にする精神が根付いていたこと(人間尊重)。「社会との調和」は終戦後の食糧難の時代に、工場に材料を持ちこんでもらい手間賃だけでパンを焼くというアイデアで人々の食生活に貢献したことがルーツ。井村屋のようかんも、どの家庭でも使われていた「山田膳」というお膳に餡を流して固め、切り売りするというスタイルで売り出したことが始まり。容器を使わず、ものを大切にする「環境保全」の精神も創業当時から受け継がれてきたものだ。

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

「単に工場のコストダウンを考えるのであれば、やり方は色々あると思います」と語る尾崎氏。「しかし、単に安くなればよいということでなく『ステークホルダーの役に立つ』ことと両立しなければならない」というのが当社の考え方です」

しかし、大きな企業が地域のステークホルダーから期待されることは多く、活動を続ける上で負担を感じることもあるのではないだろうか。「もちろん、地域の方からのリクエストに100%応えることができないこともあります。自社だけ・地域だけが得をすることも、どちらかに無理を強いることも、どちらであってもよい関係を続けることはできません。そのために、活動をする前にはお互いによく話しあい、どうしたらお互いにwin-winとなれるか考えることが大切ではないでしょうか。それでもうまくいかないこともありますが、その場合はまたやり方を変えてチャレンジする。この積み重ねが大切ではないでしょうか」。

今後のビジョン

今年は同社にとって創業120年、設立70年となる節目の年となるという。さらにこれから30年、50年と続けられる活動は何かを、様々な部署のメンバーが集まって話し合っている。「当社にはCSRの専門部署はありません。部署を横断して組織している『環境委員会』のメンバーが中心となって進めています。普段の仕事とは違うメンバーと交流して、多様な考え方に刺激を受けることが、業務にも役立っていると思います。」

その他にも、品質には問題ないものの、形のゆがみや包装のずれなどの理由から規格外となった製品を、求めやすい価格で地域住民に販売する「MOTTAINAI屋」を開催。同時に「ふれ愛チャリティバザー」を開催し、地域の障害者施設で作られた商品を販売する場所も提供。地域住民もボランティアとしてバザーの運営に参画し、井村屋・施設・地域住民が一体となって、地域で暮らす障害者を応援する取組となっている。