企業情報

商号 株式会社 おとうふ工房いしかわ
会社設立日 平成11年
代表取締役 石川 伸
本社所在地 愛知県高浜市豊田町1丁目204-21
資本金 9900万円
事業内容 豆腐・加工品の製造、販売
レストラン事業
従業員数 480名

CSRの取り組み内容

◆大豆を通して子どもたちの食育を応援

 

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「子どもたちの健全な食生活のために何か役立てることはないだろうか」との想いから、会社設立15周年となる2006年に社内のボランティアサークル「だいずきっず倶楽部」が発足。最初は高浜市内の小学校の協力を得て、社員が子どもたちに昔ながらの豆腐作り体験を提供していた。その後は地元農家とJAにお願いして田んぼを借り、そこで大豆の豆まきや収穫体験、そして豆腐作り体験などを開催。ここでも社員と地域の子どもたちが青空の下で料理を作って一緒に食べるなど、楽しみながら食育を実施してきたという。この活動をもっと多くの方の賛同を得ながら広げていきたいと、5年間の活動を経てNPO法人化。別法人となった今、同社は法人サポーターとして活動を応援している。

 

◆障害者とともに商品を作る

高浜市内の授産所「高浜安立」が作る焼き菓子に「ぱりまる」という商品がある。これは、高浜

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安立の施設長さんが同社に新商品の開発について相談に訪れたことがきっかけで生まれた商品だ。障害者の仕事を作り賃金を上げたいというニーズ、そして卵や小麦のアレルギーを持つ子どもたちにも食べてもらえるよう、お米と大豆を使い、油や添加物を使用しないお菓子をとの思いから2010年から発売している。開発に当たっては県内の大学の先生や学生たちにも協力してもらったという。
2012年からは、安城養護学校の生徒から公募した絵をギフト用の紙袋や包装紙に利用している。2016年には「よせとうふ」と「とうふドーナツ」のパッケージにもこのデザインを使用し、これらの商品の売り上げ1点につき10円を、障害を持つアーティストや支援団体に寄付するという。

 

 



CSRに関わる経緯・動機

◆CSR活動は経営理念を具現化するための手段

石川社長は自分の子どもが誕生したとき「この子に食べさせたい豆腐を作ろう」と決意し、現在までずっとその思いを変わることなく持ち続けているという。思いを実現するために何ができるか?と考え続けたことが子ども向けの豆腐作り教室につながり、養護学校の子どもたちとの出会いが「ぱりまる」や寄付付き商品の開発につながっているという。石川社長は「CSRを木に例えるならば、幹や根の部分にあるものが会社の理念。それぞれの活動は枝葉の部分」と語る。

石川社長は同時に、CSR活動は社外に向かってPRするものではなく、まずは従業員満足(ES)を向上させていくものだと考えているという。良い豆腐を作って売ることが同社にとっての何よりの社会貢献であり、公共性だ。そのために何ができるか?と考えれば、大豆を作る農家や、買ってくれるお客様や地域の人にも目が向く。社員が仕事を通して社会の中での自分や会社の役割を感じられるようにすることが、社員のモチベーションを高め、よい製品づくりにつながり、ひいては真に社会の役に立つ会社になれると考えているそうだ。「会社の内部、従業員の力が高まり、その影響が自然に会社の外にも広がって、多様な活動になっていけばよいと考えています」。社内サークルがNPO法人となった経緯、本業を生かして障害者とともにアレルギー対応食品が作られた経緯はまさにこの言葉の通りである。

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

「会社の理念を全社に浸透させるということですから、やはり経営のトップがぶれない強い思いを持っていることは大きい」と北瀬常務は語る。「当社ではあえて『CSR部』といった特定の担当部署も作らないことにしています」。

同社では上記に紹介した活動以外にも、地域の夏祭りやフリーマーケットへの参加、地域の方向けの工場見学やシルバー人材への作業委託など、多彩な活動を展開している。しかしそのどれもが「やらなければならないこと」ではなく、社員が「やりたいこと」「得意なこと」「興味があること」「好きなこと」を生かして活動しており、会社が決めたことを押し付けることはしていないという。「自分たちの身の丈に合った活動で、かつ、社員のよいところを伸ばす活動を、会社が資金提供等によって支えていく。これが持続可能な活動だと考えています」。

 

今後のビジョン

◆より女性にとって働きやすい環境に

社員の半分が女性、パートタイムの社員では8割が女性という同社。企業内保育や勤務時間の工夫など、より女性にとって働きやすく、共感される環境を整えていきたいという。

「時代の変化とともに生まれてくるニーズに会社としてもっと応えていきたい」という石川社長。そのためには企業理念をベースにしたCSR活動を今後も進めていきたいというが、やはり無理なくできる方法で取り組みたいそうだ。「全員が活動に直接関わらなくてもよいと思う。活動する人を応援するという関わり方もあっていい。社員が何に、どれだけ携わるかという関わり方も選べるのが良い方法だと考えています」。

社員の声

パートタイムの社員の定着率が高いという同社。毎年、社員の10年勤続表彰をしているそうだが、2015年は15名を表彰したという。どの社員も、長く働き続けられる理由を「商品が好きだから」「仕事が好きだから」と述べるそうだ。企業理念を全社員に浸透させていくという同社のねらいは、確実に根付いているようだ。