企業情報

商号 南医療生活協同組合 よってって横丁
会社設立日 1961年
代表取締役 喜多村 敬
本社所在地 名古屋市緑区南大高二丁目701番地
資本金
事業内容 医療・介護・福祉・住宅事業
従業員数

CSRの取り組み内容

◆誰にでも出番と役割のある『地域の居場所』

よってって横丁の広場では、定期的に様々な催しが開催されている。1Fでは八百屋さんがとれたての野菜を持ってきて販売したり、若いお母さんたちのサークルが手作りの雑貨を売るお店を出したりと賑やかだ。2Fの広場では、南医療生協の組合員のボランティアの発案で、皆で太極拳をしたり、社交ダンスをしたりしている。毎週の社交ダンス教室の日には、高層階の高齢者向け住宅の方も参加し、住民の暮らしの楽しみになっているという。事務長の奥野さんによれば、「戦

ロビー.jpg

後に流行した時期があったようで、ダンスが得意な住民の方もいる。高齢者住宅の利用者さんが講師となって、よってって横丁の職員がダンスを教えてもらうこともある」とのことだ。「関わる人みんなが、自分の得意なことで活躍できるようにしたい。健常者にも介護が必要な人にも、出番と役割を作ることで『よってって横丁』がその人の居場所になってほしい。」

 

 

 

◆組合員ボランティアの力で医療やサービスの質を上げていく

「1人の『困った』を地域(組合員)で支えていく」というのが南医療生協の考え方だ。昔はその「1人」を医師や看護師などの職員が支えていたが、今は職員が地域の組合員に呼びかけ、元気な高齢者の方をはじめとする地域の方が集まり、困りごとを抱えた誰かを支えているという。

南医療生協には「おたがいさまシート」という仕組みがある。地域で困りごとを抱えている人がいれば、その情報を「おたがいさまシート」に書いてブロックの組合員と共有し、近くに住む組合員のボランティアがその人のサポートを行うというものだ。

「病院が支えられるのは医療面だけ。『暮らし』という目線での患者さんへの関わり方は、我々職員よりも地域の方の方がずっと上手い。専門職だけでなく地域の組合員さんも会議に来てもらって一緒に話し合い、その人の支え方を考えています」。こうして地域の人と協働する取組は、厚生労働省の推進する地域包括ケアシステムのモデルの一つともなっている。



CSRに関わる動機・経緯

伊勢湾台風で大きな被害を被った名古屋市南部の住民たちの「自分たちの診療所を」という思いから、南医療生活協同組合は設立された。当時から、病気を治すだけでなく、予防や普段の暮らしの中での健康づくりを目指し、健康チェックや情報発信に努めてきた。「時代のニーズの変化に伴い、南医療生協が取り組む内容は変化してきたが、この思いはずっと同じ」と奥野さんは話す。ボランティアによる高齢者のサポートも、若いお母さん同士の交流の場を作ることも「健康で安心して暮らせるまちづくり」という目的のためであるということには変わりがない。

 

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

◆ボランティアをする人が生き生きと自己実現ができる場に

 

『よってって横丁』での様々な催し、「おたがいさまシート」に基づく地域の人の見守りや支援活動などは、すべて組合員のボランティアによって運営されている。交通費などもほぼ自己負担だ。無償のボランティアで、これだけの充実した活動がなぜできるのかと聞くと「過去に有償ボランティアの制度を試みたことがあったが、うまくいかなかった」とのことだ。「人はだれしも『役に立ちたい』という思いを持っているもの。そうしたボランタリーな精神が、有償ボランティアにすることで『安い労働力』のようになってしまった。生協のお手伝いをしていただく、ということではうまくいかない。職員は組合員さんの強みを見つけ、組合員さんのやりたいことができる機会、自己実現の場としてのボランティアや活動ができる機会を作っていくことが大切」という。

 

◆組合員の思いやアイデアを生かせる場を大切にする

『よってって横丁』を作るにあたっては、組合員による「10万人会議」など、1年以上の時間をかけて構想を練っていったという。時間をかけるほどコストもかかるが、組合員どうしの議論こそが大切なのだという。「施設を作って、皆さん来てください、ということではなく、自分達が議論に参加し自分たちで作った『よってって横丁』だと思っていただくことが大切。」

『よってって横丁』がオープンした際の内覧会(オープン祭り)も組合員と職員が一緒に企画・運営を行った。通常の内覧会とは違い、「ご招待」ではなく500円のチケットを買って入場する形式としたが、4日間でなんと1万5千人もの人が訪れ大盛況であった。『よってって横丁』がいかに組合員に期待され、愛されて作られたかがわかるエピソードだ。

今後のビジョン

ゆくゆくは、『よってって横丁』での実践を発信し、地域にも広げていきたいという。名古屋市・知多半島・三河地域など、南医療生協の組合員のいるそれぞれの地域でも、組合員一人ひとりの創意と交流によって地域をより住みよくしていく活動に生かすのだ。「そのためには、まだ『よってって横丁』の取り組みも十分ではない。毎日お店なり何かの催しを開催してもらえるようにもしたい。時間をかけてこれからも『よってって横丁』で色々なチャレンジをしていきたい」とのことだ。

 

地域の声

『よってって横丁』の1Fで野菜の販売をしている八百屋さんは、南医療生協の組合員からの声を受け、スーパーマーケットが閉店し買物に困っている高齢者の方が多い地区でも出張販売を始めた。「八百屋として自分に期待されていることが分かった」という。『よってって横丁』での交流を通じて、組合員のボランティアや、医療や介護のサービスを利用する人だけでなく、地域社会で暮らす様々な人に、地域に貢献しているという実感と喜びを感じてもらう機会が生まれているようだ。