企業情報

商号 船橋株式会社
会社設立日 大正10年
代表取締役 舟橋 昭彦
本社所在地 名古屋市中村区名駅5-23-8
資本金 3,000万円
事業内容 雨衣、前掛の製造・加工・販売
従業員数 25名

CSRの取り組み内容

NPOと共同で障害者の働く場をつくる

「高齢者でも、障害がある人も一緒に働くことのできる職場をつくりたい」と、同社では先代の社長の時代から障害のある人を何度か採用したことがあるという。「でも、障害のある人と一緒に働くためのノウハウが当社にはなく、仕事になじめなかったり、人間関係が上手くいかなかったりと、長くても半年ほどしか続かず辞めてしまうことが何度かありました。」

そこで同社では、2015年頃から名古屋市内で障害者の支援に取り組むNPO「ライフステーションあいち」と提携。製品をたたむ工程を障害のある人に依頼している。「ゆくゆくは社内で一緒に働ける環境を作りたいが、今はまだその第一歩。当社の持っている製造業の仕事のノウハウと、ライフステーションさんが持つ障害のある人をサポートするノウハウを組み合わせていけば、もっとパフォーマンスを上げる仕事もできると考えています。」

 

新事業を手がけるのは新入社員

NPOとの提携など、こうした新しい取り組みを担当しているのは新人の中村さんだ。会社の中で誰も経験したことのない仕事に取り組むことに不安はないのだろうか。「不安もないわけではないですが、新しいことにいちばん最初に挑戦させていただけるのはありがたいこと。障害者の人が働きたくても働けない現状があることを知り、自分達で皆が一緒に働ける職場を作っていくことは、魅力的な仕事だと感じています。」 ライフステーションあいちも、中村さんが色々な事業所を自ら調べて見つけたという。「皆さんが働いているところを見学させていただき、あたたかみがあり楽しそうにされていると感じました。この雰囲気が当社の工場にもよい影響をもたらしてくれるかもしれない、と思ったのです。」

舟橋社長は「働くことは給料を得るということでもあるけれど、同時に人から認められたり、役に立てたという実感を得たり、感謝されてうれしいという喜びを得るものでもあるはず。それは高齢でも、障害があっても、若者でも同じはず。」と語る。「ものづくり補助金」の申請書の作成なども中村さんに任せているという背景には、誰にでもこうした働く喜びを感じてほしいという思いがあるようだ。



CSRに関わる経緯・動機

父親でもある、先代の社長が中京大学のボランティアサークルの講演で「お互いに『尊敬と信頼関係』があれば、障害がある人も無い人も一緒に働ける」と話したことに感銘を受けた舟橋社長。しかし、現実には簡単ではなく、前述した通り同社では障がいのある人に長く働いてもらうことができていなかった。

「経営者として、事業を通してお金を儲けて会社を存続させるのは当たり前のこと。それに加えて、社会で困っていることを解決していける会社でありたい。」

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

同社の工場がある名古屋市中村区は古くからの町で、高齢者の人も多く住んでいる。「仕事を定年退職してから、人と人とのつながりをなくしてしまう方も多い。社会の一員としての実感を感じることができない、という意味では、障害のある人と同じではないでしょうか。」と舟橋社長は語る。

同社では色々な人が働けるよう、使用する機械の安全性を高めたりする工夫をしているという。「中小零細企業では、人を採用することがますます難しくなってきている。けれども、ひとりひとりの『強み』を生かせる働き方が実現できれば、今は働けていない高齢者や障害者の人も活躍してもらえる。2人で1人分の働きしかできないかもしれないけれど、会社も働く人も負担にならずに楽しく仕事ができるならば、その方がずっといいと考えています。」

「誰もが働ける会社」の実現は、社会貢献のためであるだけではなく、中小企業の存続にとって欠かせないことでもあるようだ。

今後のビジョン

障害者や高齢者とともに働ける環境づくりを進めていくほか、若者の職業体験やインターンシップの受け入れにも取り組みたいという。特に中小企業に就職した若者の離職率の高さが問題となっているが、ここでも社長は若い人に「仕事の楽しさ」を伝えていきたいという。「いずれは高齢の方と、孫くらいの若い人が一緒に働くことで、いい影響を与えあえるような職場ができたらと考えています。」