企業情報

商号 アズワン株式会社
会社設立日 2005年11月
代表取締役
本社所在地 三重県鈴鹿市阿古曽町14-28
資本金 4,000万円
事業内容 「おふくろさん弁当」の経営、不動産、人材派遣・アウトソーシング
従業員数 60名

CSRの取り組み内容

◆上限関係もない、命令もない。誰もが自分らしく働ける会社を目指して

アズワン株式会社が経営する「おふくろさん弁当」では、毎日600~800食の弁当を作り、店頭で販売したり企業や病院・個人宅への配達を行っている。昼食用の弁当の配達を手がける会社では、調理担当は朝の2時頃から出勤することも珍しくないというが、「おふくろさん弁当」で働く人が出勤するのは朝5時頃だという。

どのようにしてこのようなオペレーションを実現しているのだろうか。詳細な作業マニュアルが

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あるのでは?と思って質問してみると、決まったマニュアルは無いという。スタッフの役割分担もあらかじめ固定することはあまりないという。そもそも、「おふくろさん弁当」は誰でも、いつ来ても、いつ帰ってもいい職場だ。スタッフが好きな日の好きな時間に出勤し、好きなだけ休む。人が足りない時はLINEで社員に呼びかけてたり、配達スタッフが調理も手伝うなどしてカバーする。「会社に来られないことや、できないことを責めても仕方がない。それゆえに事業の運営に苦労することもあるが、困ったことがあれば誰もが素直にそれを話してみんなで考える。そうやって一つ一つ乗り越えていくことで、やりがいも工夫も生まれるからいい仕事ができるようになるんです」と『社長係』の岸浪さんは語る。アズワン株式会社では、社員同士の間に「上下関係」を作らないことにしているため、岸浪さんは自らを「社長係」と呼んでいた。

 

材料の発注ミスにその日の朝に気づいたり、届けなければいけないお弁当を転んで全部落としてしまったり。数々の失敗をその都度社員が皆で考え、協力して乗り越えてきた。「失敗したときに叱責したり、始末書を書かせるよりも『みんなが自分を助けてくれた』と思えることが、社員のやる気にも、業務の改善にもつながると信じています」



CSRに関わる経緯・動機

岸浪さんは「会社に長時間管理される」といったような既存の働き方に疑問を持ち、もっと人がのびのびと働ける会社を作りたい、と考えたことが起業のきっかけだった。当初は鈴鹿市内の自動車関連の工場向けの人材派遣業をメインにしていた。その際、社員食堂のない会社に派遣されていた社員が昼食に困っていることを知った。最初は社員の奥さん達がボランティアでお弁当を作って届けていたのが徐々に評判になり、お弁当屋さんを事業化したという。

 

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お弁当の事業は好調で、鈴鹿市外に出店したこともあった。しかし効率よくたくさんのお弁当を作って売ることを重視していくと、社員の失敗や「できないこと」を責めることが多くなり、会社の雰囲気も良くないものになってしまった。「そんな人たちが作った弁当が美味しいわけがない」。社員に言われたこの言葉が岸浪さんの胸に残り、「会社に上下関係を作らない」「指示も命令もしない」「何でも話し合いで決める」「失敗しても・できなくても・やらなくても責めない、責められない」という理念を大切にしていこうと考えたという。

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

何も決められていない、一方的に指示も命令もされないで働くには、社員同士が自分の思いを遠慮せず主張するとともに、他の社員の思いをきちんと聞けることが大切だ。そのために、アズワン株式会社と思いを同じくする会社や団体でつくるグループ「アズワンコミュニティ」の勉強会に参加することを進めている。勉強会では自分に向き合い、考えを素直に表現することや、他者を非難することなく話し合いを進めていく方法などについて話し合っているという。

今後のビジョン

「『おふくろさん弁当』での働き方を通じて、社員が自分らしい生き方をつかんでいくプロセスを、会社の外にも広げていけたらいい」と語る岸浪さん。急に会社を大きくすること、理念を広げていくことはできないが、「失敗や足りないことを責めない」というコミュニケーションが広がれば、争いが無くなりよい社会になっていくと考えているという。「高齢者の方などの施設の給食を請け負わないかというお話もいただくのですが、まだ私たちの力では、『誰も無理をしないで働く』ということと、求められる業務に応えていくことが両立できないので、お受けしていません。事業を大きくするよりも、あくまでも社員が幸せに働けることを優先し、少しずつでも成長していきたいと考えています。」

社員の声

「以前の職場では上下関係が厳しく、会議などでも一番年下の自分は言いたいことも言えず辛かった。この会社では仕事や責任の押し付け合いもなく、悩みも気軽に相談できることがうれしい。」(発注係)

「以前はコンビニの店長をしていた。以前は頑張れば頑張るほどしんどくなる気がしていたが、ここでは忙しくても仕事に追われるという感じはしない。お弁当の配達で『この会社はご飯を少なめに』『お年寄りには割り箸を割って届けてあげる』というお客様への気配りが自然にできるのは、社員の心にゆとりがあるからだと思う。」(配達など係)