企業情報

商号 株式会社羽島企画 トータルケアママーズ
会社設立日 平成12年3月
代表取締役 宇野恵利子
本社所在地 岐阜県羽島市小熊町島2丁目102番地1
資本金 1,000万円
事業内容 ・訪問介護、訪問入浴、訪問看護ステーション
・ケアマネステーション(居宅介護支援)
・グループホーム
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・デイサービス
・住宅型有料老人ホーム
・介護タクシー
・メイドサービス、ハウスクリーニング 等
従業員数 230名

CSRの取り組み内容

◆一人ひとりに合わせた勤務時間

「それぞれの人の希望や事情に合わせた働き方を、会社も社員同士でも認めあってきました」と宇野専務。子どもを出産して間もない人、家族を介護しながら働く人、土日だけ・短時間だけ働きたい人も、フルタイムで働きたい人も、本人の希望に合わせて受け入れてきたという。

現在、同社の従業員の8割以上は女性。その多くが子育てをしながら働いているという。保育所を設け、子どもを預けて働きやすいという環境はもちろん、それ以上に「おたがいさま」の気持ち

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で助け合う風土が根付いていることが大きいと宇野社長は語る。

 

「子どもがいるから、長時間働けないからという理由で一緒に働けないというのはもったいない。誰かが休んでも、他のみんなの力を少しずつ持ち寄って一人分の仕事ができればいい。助けてもらった経験があれば『次は私も誰かの役に立ちたい』と自然にお互いを助け合うようになります。

むしろ、色々な人がいるからたくさんアイデアが出ますし、人材不足にも悩みません。一人ひとりの魅力を生かすことで、素晴らしい人たちに囲まれて会社経営ができていると感じています」。

人事部長の吉原りえさんは、一時仕事を離れている社員とコミュニケーションを図るための秘策を教えてくれた。「育休中の社員に育児休業給付金の書類を送るとき『会社に持参してね』と伝えます。赤ちゃんを連れて本社に寄ってもらい、現在の生活や復帰後の不安や要望を直接話してもらう機会にしています。同僚が子どもを見て「大きくなったね」と声をかけてくれると、歓迎されているなと感じてうれしいですよね」。

 

◆月に一度の「研究会」で思いを確かめあう

同社では毎月一度、社員が一堂に会して学びあう「ママーズ研究会」を開催している。訪問介護、グループホームなど多岐にわたる事業を展開する同社で、普段の仕事では顔を合わせること

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の少ない従業員が集まる機会になっている。研究会では制度や介護のスキルアップについて学ぶほか、全員が毎月の職場での取り組み状況をふりかえるとともに、会社への要望を書くレポートも提出する。「社長や管理職は、200名以上の社員のレポートにすべて目を通しています。寄せられた意見に対して、研究会の場で社長が直接返答することで互いの信頼関係を築いている。

 

同社では研究会以外にも社員が集まる親睦会や交流会も大切にしているという。「社員の間に気心が知れた信頼関係がないと、仕事もうまくいきませんし、会社への要望も出しづらいでしょう」。会社から社員へメッセージを伝えるだけでなく、社員からも会社に意見が出しやすい環境を整える。一人ひとりの違いを認め、生かすための工夫が凝らされている。



CSRに関わる経緯・動機

宇野社長自身も義父母の介護を経験している。当時はまだ介護保険制度が始まる前の時代。介護は家族がするべきものという考え方が一般的で、介護サービスの利用はためらいがちだった。このときの経験が後に、介護に心身をすり減らす家族を支えたいとの思いにつながっている。

義父母の介護生活が終わり、今後の生きがいを考えたとき、『仕事をしたい』『地域に恩返しをしたい』という同じ思いを持つ仲間たちと出会い、「料理やお掃除、子育てや介護の経験など、女性が経験や得意なことを生かした活躍の場を作りたいという思いで会社を立ち上げました。」。

仲間の女性たちと共に事業を起こすにあたっては、時間的な制約や仕事のブランクなど多くの不安もあった。それでも背伸びすることなく「できることから始めよう」と少しずつサービスを作っていったという。できることを楽しく、お互いに助け合いながら―創業の原点が今も受け継がれているようだ。

企業としてCSR活動を継続して成り立たせるには

「働き方改革」が叫ばれ、時短や多様な働き方を掲げる企業も増えている。しかし、せっかく作った制度がなかなか現場に浸透しないことも多いのではないだろうか。宇野社長によれば「会社側が一方的に『こういう制度を作りましたよ、どうぞ使ってください』というのでは上手くいかないのではないでしょうか。働く人の『こうしてほしい』という要望を受けてから始めないと」。とのこと。他の企業の実践をただまねるだけでなく、社員との対話を積み重ねることが、実は働きやすい職場を作る近道なのだろう。

社員の声

この会社の良さは自分が「こうしたい」と思ったことを遠慮なく言えること。働く人の思いを汲んで、柔軟な発想で応えてくれると感じています。私はパソコンを使った作業が得意なので、子どもが小さいうちは在宅でもできる仕事を任せてもらっています。(総務部職員)

産休後も同じ部署に戻って働くことができ、勤務時間や雇用形態も一人ひとりに合わせて決めることができるのは大きな魅力です。介護以外の分野から転職してきた従業員も多く、幅広い知識が生かされている職場でもあると思います。(総務部職員)
高校卒業後、新卒で入社しました。子どもが2人いますが、それぞれ産休、育休を取って復帰しました。今は子どもが小さいので、短時間で、勤務地も考慮してもらい非常勤職員として勤めています。子どもが成長したらまた常勤職員として働くつもりです。(介護職員)

今後のビジョン

時代の変化を柔軟に受け入れ、また社員の声に耳を傾けながら、すでに多様な働き方を導入している同社。宇野専務は「今後より一層加速するであろう社会の変化と人々の多様なニーズに合わせていきたいですね。祭りやイベント、防災活動などを通して積極的に地域と関わり、皆さんから必要とされる会社になりたいです。たくさんの人の違いを受け入れながら共に助け合って生きられる地域づくりができればと思っています。」